フォト
2017年7月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          

最近のトラックバック

無料ブログはココログ

2017/07/21

【CD聴くべ】グリーグ「ペール・ギュント」(トゥルニエール盤)

グリーグ:劇付随音楽『ペール・ギュント』(1875 全曲)~独唱、合唱と管弦楽のための

ディートリヒ・ヘンシェル(バリトン)
インガー・ダム=イェンセン(ソプラノ)
ソフィー・コック(メゾ・ソプラノ)、他
ヴェガール・ヴァルダル(ハリングフェレ(ハーディンガーフィドル)独奏)
モテ・ド・ジュネーヴ声楽アンサンブル
スイス・ロマンド管弦楽団
ギヨーム・トゥルニエール(指揮)


なんとなくペール・ギュントが聴きたくなり、毎度おなじみNaxos Music Libraryにて乱れ聴き。その中の一枚がめちゃんこ(死語)名演&名録音で物凄く興奮&感動。

それがギヨーム・トゥル二エール指揮スイス・ロマンド管弦楽団盤です。


つーかこれレコ芸2010年度のレコードアカデミー賞で管弦楽部門を獲ってましたね…。

2010年は大賞のアーノンクールのドイツ・レクイエムとクルレンツィスのショスタコーヴィチの印象が強くて、管弦楽部門でグリーグが入っていることを、恥ずかしながら認識してませんでした。

しかし内容を聴けば、さもありなん、という感想。つか、個人的にはこっちの方が大賞にふさわしい(ただしクルレンツィスと同点)とさえ思います。

…と、まぁ、レコアカの件を失念しちゃってたことを見て頂ければ瞭然ですが、私はグリーグ作品を熱心に聴いたり情報収集しておりません。それにしては素晴らしい演奏をゲット出来て何気に超ハッピーな気分であります。

(あるいは日頃あまり強い関心を寄せていないからこそ、超ド級の名盤だけが鈍い琴線を震わすのだと言えるかもしれませんが。)

グリーグ・ファンが「やっぱペール・ギュントは組曲版じゃなくて全曲版に限るよナ!」みたいに言うのはまぁ分かるけど、とくにグリーグ好きなわけでなければ、組曲版くらいがちょうど良いんじゃなかろうか…等と思っていましたが、トゥル二エール盤を聴いて考えを改めました。

やっぱ全曲版、良いです。

ただ、この録音でもセリフはほぼすべてカットしている点は重要。このバランスがグッド。



当盤は極めて良質で美しいセッション録音がとにかくポイント高し。

メジャーレーベルで綺羅星の如きスター指揮者と超名門楽団がソフト制作すると、コストの問題からか大抵ライヴ録音になっちゃう昨今。いくら演奏・録音共に技術が向上しているとはいえ、セッション録音独特の硬質な美感は損なわれてしまいます。

むしろ世界中のオケの実力が上がっている今こそ、ローカルレーベルが通好みの名匠・名楽団を起用してじっくりとセッション録音した方が完成度も上がろうというもの。


実際このCDには、近年のスイスロマンド管弦楽団の充実ぶりがこれでもかと詰まってます。

透明感と滋味と、音色の軽やかさが醸す見通しの良さ。気持ちがいい演奏です。暑苦しさ皆無なのにダイナミック。

そして国際的・商業的にはほとんど無名と言って差し支えない、若い指揮者トゥルニエールの解釈は本当に見事。

結構テンポの落差もある豪快な解釈もありますが(魔王の宮殿にて、とか最高でしょコレ)、迫力一辺倒だったりロマンティック一直線だったりハッタリかましたり…みたいな安直さ・一本調子さは一切なし。

オーケストレーションの仕掛けを強調しつつ誠実に音楽を作り上げていて印象最高です。

現状(2017年7月)目につくところでは、トゥルニエールの録音はほぼこの1枚だけという状況ですが、是非何か「声楽付きの劇付随音楽シリーズ」みたいな続編を出してもらいたい気がします。




P.S.
実は最近のスイス・ロマンド管弦楽団にはちょっとハマってます。

ヤノフスキのブルックナーとかマジで最高ですし、個人的に苦手なパパ・ヤルヴィもこのオケの響きと合わさるとなんかイケちゃう。ヤマカズとの録音はまだ全然買えてませんが(つか我慢してましたが)、このグリーグ聴いてたら段々欲しくなってきてしまいました。

まだ聞こえてこないジョナサン・ノットとの録音活動が出てきたら飛びついちゃうなコレは…。Pentatoneさんよろしくです。


2017/05/06

【CD聴くべ】ドヴォルザーク交響曲第9番「新世界より」他(ウルバンスキ盤)

NDRエルプフィル音楽監督ヘンゲルブロックはここ最近、ドヴォルザーク4番とかマーラー巨人ハンブルク稿、メンデルスゾーンの協奏曲異稿など、やや変化球気味のレパートリーでリリースが続いていたのでなんとなく指向性をつかみ損ねておりました。

しかし先般出たブラームスチクルス第1弾(3番&4番)、メンデルスゾーン「エリヤ」(こちらはバルタザール=ノイマン・アンサンブルとの録音)の充実した内容を聴いてその実力にあらためて感服した次第。

NDRエルプフィルと長期政権を維持、あるいはドイツの名門オケの指揮者を歴任して録音活動が順調に継続されるようなら、新鮮さが売りの若手(実際は実績十分の中堅ですけど)ではない、新時代にマッチした独墺系の王道を確立するかもしません。

いまはやや趣味が克った感じのレパートリーが多いので王道感はあんまり出てませんが。。

NDRエルプフィルに関して言えば、むしろ客演指揮者ウルバンスキの方が王道レパートリーを担当しているような形になってます(録音・リリースのタイミングってだけの話でしょうけど)。

しかも刺激的且つフレッシュに。

ドヴォルザーク:
1. 交響曲第9番ホ短調 Op.95『「新世界より』
2. 交響詩『英雄の歌』 Op.111

クシシュトフ・ウルバンスキ指揮
NDRエルプフィルハーモニー管弦楽団

録音時期:2016年6月21-24日(1)、2015年12月10,13日(2)
録音場所:ハンブルク、ライスハレ
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)


ウルバンスキの演奏は才気煥発。この「新世界より」も鮮烈です。

「流す」ことなく「流される」ことなく、超のつくほど有名なこの曲と名門オケに対峙しています。

確かに流麗な響き・演奏なのですが、解釈に一本調子な感じはまったくなく、木管や弦のちょっとした動機・細部を疎かにしないところが絶妙。

また、フォルテや漸強部分で、(音量/厚み/テンション的に)頂点に来たかな、と思わせつつ、実はもうひと押しの予備兵力を隠しており聴き手にとどめを刺しに来る感じに興奮し切り(印象的だったのは3楽章4:43~45頃、終楽章10:05~頃など。他にも細かくいくつかある。強奏でのtuttiが収まったあとのピツィカートや木管の動機が妙に鋭かったり)。

周到に、冷静に、しかしエキサイティング。ジャケットのポートレートの眼光と併せて超惚れる演奏。

NDRエルプフィルは北ドイツ放送交響楽団と呼ばれていた頃から聴かれる、往年の重心低め・暗めの音色を残していますが、響きにごちゃっとしたところがなく、演奏全体の印象・聴後感も団子ではありません。

録音自体は残響とか会場の空気感も結構取り込んである感じ(優秀録音です)で、けしてオンマイクバッキバキでないにも関わらずこのバランス感。オケの奏者個々と指揮者の耳の優秀さが伺えようというもの。

慎重にレパートリーを吟味し、じっくり勉強した曲はリハーサルから暗譜で振るというウルバンスキの評判通りの演奏といえます。すべての音、フレーズが意識されていることが伝わってくる。

そして強奏時における豪壮で直線的な響きが快感度高し。

金管群はヘンゲルブロックとの諸録音よりパワフルに鳴っています。しかも単に強いというわけではなくシャープさを維持したままなのでエッジが効いててナイス。


演奏からは離れますが、カップリングが知名度はイマイチだけど傑作「英雄の歌」てのもポイント高いです。NDRエルプフィルみたいな名門オケの演奏で聴けるのは嬉しい。

以前は選択肢というとアントニ・ヴィト(つかウルバンスキのお師匠さん。得意なレパートリーが結構継承されている印象。キラールとかルトスワフスキとか)盤くらいしかありませんでしたが、ネルソンス盤などもあっていい演奏で聴けるようになってきました。


さて、けしてなんでも屋というわけではないウルバンスキ。

東響と披露したレパートリーのいくつか(春の祭典、チャイコ、ショスタコ、モーツァルト、ベートーヴェン…)はすぐにでも録音できる水準にあると推測。

是非NDRエルプフィル&この録音スタッフで残して頂きたいものです。つか、ツァラの録音はいつ出るのだろうか。



2017/04/02

【CD聴くべ】イベール作品集(N・ヤルヴィ盤)


デュトワのイベール作品集に言及した際、否定的に取り上げた本盤ですが、その後すっかり評価反転。

私の方の意識のスイッチを幾つかパチンと切り替えたところ、超大好きになっちゃいました。

きっかけは山田和樹指揮スイス・ロマンド管弦楽団の来日公演の映像を何気なく見ていて、響きのいい意味での軽さが印象深かったこと。

塊になるのでなく、なんとなく個々の演奏者の音がつぶつぶと残っているような。そういえばヤノフスキとのブルックナー録音が好きな理由もその音色感でした。

その流れでスイス・ロマンド管弦楽団の近作をいろいろ物色していて、本番に「出会い直した」というわけです。

以前聴いたときはいまいちしっくり来ませんでしたが、響き・音響方面から本盤にアプローチしてみよう、とNMLで何度か聴くうちにすっかり虜になった次第。



なんといってもCHANDOSの超優秀なセッション録音が素晴らしい。

その観点で聴けば、一聴してぶっきらぼうに感じられた演奏がニュートラルで見通しのよい演奏に思えてきます。

父ヤルヴィのシャープに締め上げるわけでも、情緒纏綿に粘るわけでもない芸風が、響きの指向性とピッタリ合っている気がしてきたというわけです。
(これがロイヤルスコティッシュ管とかだと武骨さが勝ち過ぎてなんならちょっと雑さを感じてしまうのですが…)

なんといっても祝典序曲がこれほどの名演奏・名録音で聴ける機会が今後それほど増えるとも思えず、その意味でも本盤に開眼できたのは良かったです。

寄港地やディベルティスマン、木管アンサンブル等は今後もそこそこ出てくるかもしれませんが、「祝典序曲」や「交響組曲パリ」の新録が多かろうはずもなく…。

イベールの名演というと、マルティノン&フランス国立放送管、デュトワ&モントリオールso、大植英次&ミネソタsoといった辺りが思い浮かぶところで、シャープでお洒落という先入観があったのですが、ヤルヴィ盤のような方向性もいいな、と思えるようになりました。

つか、おそらくフランス風・パリ風というのはどちらかというとこういう質感なのだろうな、と。集団としてのキレより、バラバラ感が齎す程よいもっさり感みたいなもの。




2017/02/12

【CD聴くべ】青少年のための管弦楽入門

ある夜、ベンジャミン・ブリテン(←大好き)「青少年のための管弦楽入門」(←大好き)が無性に聴きたくなり、手持ちのP・ヤルヴィ&シンシナティso盤を引っ張り出しましたが、どうにもしっくり来ずモ~ヤモヤ。

ホルスト「惑星」あるいはエルガー「エニグマ」&ブリテン「四つの海の間奏曲」(2種類のカップリングが存在する)は名演だと思いますが、「管弦楽入門」だけは細部の甘さみたいなものがちょっと気になります。

溢れるインスピレーションに賭けて感興の赴くままにオケを駆るパーヴォ・ヤルヴィは、オケのポテンシャルを刺激して新鮮な響きを生み出すマエストロです(と思う)。

しかしここでは、腰を据えてカッチリ演奏を構築するタイプではない(と思う)点が悪い方向に出たかもしれません。

「管弦楽入門」は、青少年向けに管弦楽の魅力を伝えるための入門曲であって、青少年でも演奏し易いとかいう意味での入門曲ではまったくなく、むしろ演奏困難曲。主題の影響か、曲相が醸すイマジネールなスケールも意外と大きいので、各ソロは繊細さよりも骨太さが欲しい曲だとも感じられます。

シンシナティ響は技術レベルが低いオケではけしてありませんが、ドライヴしよう/させようとしてキャパオーバーしているように思えてなりません。



そんなモヤモヤを払拭すべく「管弦楽入門」の新しい音源を探して、私にとってのリファレンス/旗艦盤とすべしと思い立ちましたが、今回はなかなか難航しました。

まずはNaxos Music Libraryへログインして片っ端から試聴したのですが、あらためて自演盤の凄さを実感することになります。

自演盤における主題トゥッティやフーガにおける豪放な金管の響き・強靭なリズムには

「若者向け教育映画用の音楽<青少年のための管弦楽入門>」

という概要から想像させるライトなイメージはなく

「各変装に独奏楽器をフィーチャーした実験的管弦楽作品<パーセルの主題による変奏曲とフーガ>」

として堂々と響く見事なもの。

半世紀前の収録ですがロンドン響の上手さ巧みさはさすがです。

オケの技術レベルは世界中で年々底上げされていることは確かですが、「管弦楽入門」を十全に演奏するのは難儀で、質まで含めて彼のロンドン響の演奏を越えるのはなかなかに難しいミッションと言わざるを得ません。

確かに録音の古さはネックで、S/N比やピーク感など時代的限界が隠せません。とはいえ、優秀録音で鳴らしたDECCAの名は伊達ではなく、分離良く明晰な音はなんならデジタル期放送局音源の微妙なライヴ等よりある意味で優れていると感じられるほど。



事程左様に、「管弦楽入門」に限らずブリテン作品は自作自演盤の地位が相対的に高いことはある種の悲劇であります。
(むろん、作品にとっての悲劇ではなく、新しい録音優先でリファレンス/旗艦盤を探す私にとっての悲劇というべきですが。)

・ブリテンが指揮者として超一流(モーツァルト演奏の素晴らしいことと言ったら…)
・競演者も皆一流(ロンドン響、イギリス室内管、スヴャトスラフ・リヒテル、ムスティスラフ・ロストロポーヴィチetc)
・録音は確かに古いが、DECCAが誇る優秀ステレオ録音によるセッション収録

といった理由により、後続録音に対するアドバンテージが大き過ぎるのです。

近現代作品の自作自演盤(あるいは初演盤)には、はじめの一歩を踏み出した者だけが持てるアドバンテージ(言語化が難しい「熱」みたいなもの含め)が何かしらあるものですが、技術的問題があって演奏がグズグズだったり、ライヴで録音条件が悪かったりといった事情で、後続録音によってはじめて真価が分かることはけして珍しくありません。

しかしブリテン作品に関しては自演盤のクオリティが高過ぎることが「問題」なわけです。初手で比較対象の壁が高過ぎる。

私の「管弦楽入門」リファレンス/旗艦盤探しの泥沼化も、そこに起因しております。



今回検討対象となった諸音源をいくつか。

まずNaxos Music Library乱れ聴きの中から、ベルナルト・ハイティンク&コンセルトヘボウ管。

技術的にはヨタヨタしているものの、終始落ち着いたテンポとキンキラしてない燻し銀の音色が魅力。

その辺、イングランドマナーでなくヨーロッパ大陸マナーに貫かれています。比較的米英のオケによる録音が多い「管弦楽入門」にしては異色な存在といえるかもしれません。とにかく音の質感が印象に残った一枚。

ただ、録音が特別新しいわけでも良いわけでもなくリファレンスとしては選外。入手も困難だろな、と思っていましたが、そこはタワーレコードが意欲的に進めている独自リリースにラインナップされています。ナイス。



もう一枚似た例があって、それが日本とも縁の深いオンドレイ・レナルト盤。

オケはMarcoPoro/NAXOS黎明期のカタログを支えたブラティスラヴァのスロヴァキア放送交響楽団。

このオケは多様なレパートリーで膨大な録音数を誇りますが、そのほとんどで技術的限界を露にしてきた歴史があります。「録音がめっちゃ多いけどあまりお上手とはいえない楽団選手権」では殿堂入り間違いなしの迷門。

正直ここでも青息吐息。

音程もリズムもアンサンブルも…なんなら楽器そのものの質(田舎の高校の吹奏楽部が10年前に部費で買った量産型の楽器みたいな音というか)も怪しげな箇所が頻出。そのたびに聴く側も「がんばれ~」とつい力が入りつつ、どうにかこうにかミッション完遂している感じ。

ハイティンク盤以上のヨタヨタっぷりですが、子供向けレパートリーを集めたこのアルバムにおいては、それが朴訥とした愛嬌にも感じられます。贔屓目に見れば「鄙びていてヒューマニスティクな演奏」と言えないこともない。

教育映画というより紙芝居みたいな「管弦楽入門」。

ライヴではともかく録音ともなれば一聴して技術的限界を感じさせてしまうオケなので、サンプルとしてやや極端かもしれませんが、東欧オケの特徴がよく出ていると言えます。

とくに、ロンドン響では顕著に感じられるブラスのエッジはほとんどなく、丸く溶け込む音色です。

たとえばフーガ終結部分のトランペット。ロンドン響の演奏では全体から突出し、単独で輪郭がはっきり聴こえますが、レナルト盤では「一列横隊の隊列から一歩前に出た」程度にしか出てきません。音も柔らかく溶け込んでおり、全体のなだらかな稜線として輪郭を形成します。

オンドレイ・レナルトは今は亡き新星日本交響楽団への客演はじめ日本でも活躍して根強いファンがおります。こういう素朴な感じにヤられちゃう気持ち、なんとなく分かります。

レナルト氏は確か、チェコフィル音楽監督に請われたが固辞してプラハ放送交響楽団の指揮者に就任していたはずですが、録音情報は目にしたことがありません。どっかからチャイコとかマーラーとか出してくれたら是非聴いてみたいところ。

ラドミル・エリシュカの人気を見ても、東欧の名匠に妙な親近感を覚えるのが本邦のクラヲタの性のひとつ。ポスト・エリシュカとして、レナルトなら日本独自企画でもマニアは結構食いつく気もします。つか、私が聴きたい。



さて、大陸風のふたつの演奏は確かに面白かったのですが、ブリテン自演盤の名演を実現したロンドン響は一頭地抜けている印象を新たにしました。

とりわけ骨太で輪郭がはっきりしたブラスの響きは魅力的で、彼の楽団によるブリテン演奏からは他にはない説得力を感じます。そこで「ロンドン響を越えられるのはロンドン響だけ」とばかりに、同楽団の新しい録音を探すことに。



そのひとつが数年前に復刻した名匠マッケラス&ロンドン響盤。

やはり素晴らしい。ロンドン響によるブリテン演奏の良さをあらためて実感します。

必ずしもテンポが遅めとかってことはないのにガツッと来ます。フーガも低回趣味に陥らずオケの底力を見せ付けつつ思い切り良くフィニッシュ。

並録の「ピーターと狼」(つか、こっちがメインか)、「魔法使いの弟子」も名演で満足度高し。「管弦楽入門」と「ピーター」にはナレーション入り。

ただ録音はもうちょっと頑張って欲しかった部分で、編集が粗いのか時折リミッター掛かるみたいになります。ナレーションをかぶせるためのダブかなんかでしくってるのだろうか…。

まぁ我慢できないことはない範囲ですけれども、モニターヘッドホンでの聴取が主力の身からするとリファレンス/旗艦盤としては厳しいです。惜しい!



こうなるとロンドン響縛りでは現状選択肢はほぼ一択です。スチュアート・ベッドフォード&ロンドン響盤。

なんとなく流れで消去法のような書き方になっちゃってるかもしれませんが、さにあらず。それどころかむしろ最初にチョイスすべき「血統」の一枚といえます。

共同作業者としてブリテンからの信頼も厚かったスチュアート・ベッドフォードの指揮は確信に満ちており、自演盤の衣鉢を継ぐ名演奏。

実際、パート間バランス・テンポ感など、解釈面でかなり自演盤を意識しているように感じられます。ブリテンの自演を最新録音で聴けばきっとこのようになるでしょう。

自演盤ほどのキレや迫力が感じられないとすれば、DECCAによる60年代ステレオ録音の限界が醸す効果としてのピーキーさと見るのが公平です。

音源はCOLLINS原盤でNAXOSから移行再発されています。時折変な録音もあるCOLLINSレーベルですが一連のブリテン録音に関して問題は感じません。



というわけでベッドフォード&ロンドン響盤でリファレンス/旗艦盤はフィクス。あとはそれを中心に据えて戦力補強です。




まずはラトル&バーミンガム市響盤。

ロンドン響に転出した暁には、あらためてブリテンチクルスに挑んで欲しいと思っているラトルですが、バーミンガム市響時代に既に戦争レクイエム含むアルバム数枚分の録音があります。
(ベルリンフィルともボストリッジと組んだ歌曲集録音あり)

「管弦楽入門」も名演です。

確かにロンドン響と比較すれば華やかさでちょっと見劣りしちゃいますし、最後のフーガが勢い込み過ぎて自分のツボに入るテンポより僅かに早く感じられます。

まぁでもそんなとこも含めて才気煥発で楽しい演奏であることに間違いありません。



新譜もひとつ。

メインはサン・サーンス「動物の謝肉祭」。ウィーン交響楽団の客演指揮者ラハフ・シャニ(2016年11月時点)が指揮したライヴに、珍しいドイツ語ナレーションを後付け。ナレーションのトラックを飛ばせば音だけ聴ける親切なコンセプト。

「管弦楽入門」に関しては冒頭で素っ頓狂な感じのナレーションが入るだけで、後はオケのみのトラックです。

大陸マナーの演奏として、かなり好印象。角が丸く柔らかいですがグズグズではないウェルバランス。フーガも超速で押すだけでない落ち着いた演奏だし、結構お気に入り。

尚、これはウィーン交響楽団自主製作盤。フィリップ・ジョルダンとの未完成&ザ・グレートや悲愴も素晴らしかったので、個人的に結構注目しています。

そしてラハフ・シャニは若手も若手、まだ20代後半(2016年時点)。

彼は既に来日済で、読売日響を指揮しております。ウィーン交響楽団の現首席指揮者フィリップ・ジョルダン(←大好き)もまだ40代前半と若いマエストロですが、客演指揮者は輪を掛けて若い。
(まぁ中堅以下の楽団が高額報酬の老巨匠をほいほい招聘出来るほど全体の景気が良いわけもなし、ポストには若手を起用してスポットでスターを呼ぶ、というのが世界的な潮流といえるのかもしれません…。)

「動物の謝肉祭」ではピアノも披露している由。少し調べたところ、イスラエルフィルにコントラバス奏者として在籍していた経歴もあるとのこと。へえ~。



ところで、クラシック音楽でナレーションやポエトリーリーディングが入る曲はいくつかありますが、なぜ著名声優を起用して出さないのか不思議ではあります。

ラトル&ベルリンフィル「くるみ割り人形」で石田彰&釘宮理恵を起用した絵本付バージョンが出てましたが、そっちの線は結構掘り甲斐があるはずだよな、と思っています。

ブリテン「管弦楽入門」、プロコフィエフ「ピーターと狼」、プーランク「子象ババールの物語」といった定番はもちろん、劇付随音楽と呼ばれる一連の作品群は皆候補になるでしょう。

ベートーヴェン「エグモント」、サティ「星の王子」、メンデルスゾーン「真夏の夜の夢」、ビゼー「アルルの女」、グリーグ「ペール・ギュント」、フォーレ「ペレアスとメリザンド」、シベリウス「ペレアスとメリザンド」etc..

変化球では武満徹「系図」(←正直これこそ声優版で聴きたい。)とかベルリオーズ「レリオ」。なんならもうヴィヴァルディ「四季」のソネット読んじゃうとか。

とくに朗読を入れることが一般的でない曲でも、具体的なストーリーがあるものなら台本作って入れちゃえます。件の「くるみ割り人形」のようなバレエ音楽も大抵行ける。

同じ音源を使いまわして声優を替えてバージョン違いで出す、有名絵師と組んだブックレットを付ける等の商売の芽もある(ちょっち阿漕だけど)し、もういくらでも掘れる分野になる気がしてきます。

最後、余談でした。

2017/01/15

【CD聴くべ】げんそうっ!

ベルリオーズ幻想交響曲に関して、2016年に出たハーディング&スウェーデン放送響盤が10年に1枚レベルの名演・名盤です。

隅々まで考え尽くされており、それが演奏面でも徹底されています。

セッション録音の強みを最大限に活かしており、局面ごとの情報量が多い「聴くたびに発見がある」型の名演・名盤。何度も聴き込んでいきたい逸品です。

その徹底ぶりは、流しでやってるところはひとつもないんじゃないか…と思わせるほどで、いちいち感じ入ってしまいます。

確かに理知的な印象が勝つ演奏なのですが、終楽章に入ってからギアチェンジして猟奇的な凄みを発揮する演奏設計は筆舌尽くしがたい。

むろん幻想自体がそのような物語で構成されているわけですが、ハーディング盤は前半部分の細部の詰めが徹底していることもあり、理性と知性を突き詰めることで狂気に至ってしまったようなゾッとする恐怖感さえ漂ってきます。



オーケストラ音楽というのは、その成果(あるいは瑕疵)の責が奈辺にあるかが分かりづらい音楽です。当事者にしか、あるいは当事者にも分からないことさえあります。

しかしこの幻想交響曲ハーディング盤に関しては、指揮者の拘り、解釈、指示がかなりギシッと詰め込まれています。オケも結構絞られたのではないかと推察します。

なお、2楽章ではコルネット入り。終楽章の鐘はチューブラベルではない。教会の鐘を別録りしたものでしょうか、低次倍音を多く含んだ雰囲気たっぷりの音で理想的です。





さて、ハーディング盤はあまりに素晴らしいので、自分の幻想交響曲ライブラリをハーディング盤を基準に見直しを掛けはじめています。同曲異演盤をたくさん持ってればそれで充足するというものでもありませんで…。



その一環として、ハーディング盤では聴けないある演奏上の特徴についてマッケラス&ロイヤルフィル盤、デュトワ&モントリオールso盤を(再)確保した次第。

その特徴とは終楽章終盤にて、弦と木管群が半拍ずらした2拍3連を開始し、やがて金管・打楽器が表拍からの2拍3連で被さってきて、オーケストラ全体が阿鼻叫喚になるめっちゃアガる箇所(マッケラス盤7:45~7:52頃/デュトワ盤8:12~8:20頃)。

の、直後。

ここでホルンが突出して最後までフォルテで吹き切るのが大好き(マッケラス盤7:53~7:57頃/デュトワ8:21~8:25頃)。



この演奏解釈(というか処理というか判断というか)については、かつてポール・パレー&デトロイトso盤(7:08~7:13頃)で聴いて以来「ここは是非そうして欲しい」ポイントのひとつ。

パレー盤は全体の快速テンポが独特ですが、それよりも一番印象に残ったのがこの箇所なのです。リズムのマジックでアガったあと更にホルンの咆哮でもう一段アガる「たたみ掛け」が超最高。



「たたみ掛け」が聴ける演奏はけして多くなく、ざっと聴いた範囲ではマッケラス盤とデュトワ盤くらい。他にもあったとしても数える程しかないと思われます。
(あったらTwitterとかで是非教えてちょんまげ(死語))

管打の音量バランスはオーケストラのプレーヤー側の裁量や個性に依存する側面「も」大きいもので、細部はオーケストラのキャラクタが強く出がちだと思います。一音一音バランス調整しながら作っていたら1曲仕上げるのに何ヵ月掛かるか分かりません。

しかし該当部分の「たたみ掛け」はおそらく、指揮者がピックアップして意図的に調整しないと発生しないのではないかと推測。なんとなくですけど。ええ。



尚、マッケラス盤については名手ジェフリー・ブライアントの蛮勇がそのまま残った可能性も否定できません。

いくらロンドンのオケはブラスが力強いといってみても、90年代ロイヤル・フィル自主制作盤において時折炸裂するホルンパートのアレは際立っています。

その印象が強烈過ぎるので、彼が離れた辺り(97年)以降のロイヤル・フィルの演奏は魅力に乏しく感じられて仕方ありません。

90年代のアレはジェフリー・ブライアント一人だけがどうこうって話ではないかもしれませんが、いずれにせよ2000年代以降、仮に自主制作音源であってもアレは聴かれなくなります。

十分立派な音出てますし、たま~に「おっ」と思う名残りが聴かれるときもあるとはいえ、ロンドン的な普通になったとでもいいますか。普通って何よ常識って何よって話ですけど。



もっともブライアント在籍期間の他音源で常に同様だったかと言われるとそうでもないし、自主制作盤でも毎回アレってわけでもないので、アレは自主制作をいい事にやってた「遊び/悪乗り/実験」で(例えば「mfとf/ffの落差を、音量だけでなく吹き方まで含めて極端につけてみるべさ」「ここはホルン的に美味しいから全部持ってこうゼ」みたいな…)、しかも「指揮者が特に制止しないorノリノリだった」ときだけ残った記録の可能性があるとは思います。

いくらなんでも極端なのですが、アレがめっちゃくちゃ快感なのも事実。真似する人たちが世界にもうちょっと居ても良いのにナと常々思っています。

あまり類例がないのは、体力的・技術的に無理!てことなのか、流石にやり過ぎで下品だからヤダ!てことなのか…。



幻想交響曲マッケラス盤に話を戻すと、「たたみ掛け」以外はハーディング盤と比較しちゃうと良く言って磊落、悪く言ってルースな演奏に聴こえます。

まぁこの場合、比較対象たるハーディング盤の細部への拘り具合がヤバ過ぎるという事情があるとはいえ、こうした印象の積み重ねが、ロイヤルフィルよりロンドン響やフィルハーモニア管が一枚うわ手に感じられる要因ではあります。
(あくまでも個人の経験の範囲における、しかもライヴでなく諸録音からの印象ですが。ライヴではそこまで気になることはないでしょう。普通に上手いし)




ちなみにデュトワ盤も、マッケラス盤にも負けないほど該当箇所を強力に吹き切っております。

注目して聴かないと意外とスルーされがちな特徴かもしれませんが、終楽章の演奏自体が勢いに任せず落ち着いたテンポによる堂々としたものなので、そこだけがピックアップして印象に残るということがないのだと感じます。

ストーリー性より演奏の全体的な立派さが印象的。この辺、デュトワ&モントリールsoは硬派だなって思う所以。

デュトワの幻想は、全編に亘りルースさがなく彼のコンビを代表する名演のひとつといえます。総合的に見てマッケラス盤よりも上位に置きたいところ。

オケの響きに濁りがなく明るい音色で各パートがよく聴こえ、テンポも比較的落ち着いて感じられることが多い(BPM自体はけして遅くないはずですが)演奏に対して、しばしば「おフランス風だ」みたいな言われようをされたりしますが、私見ではフランス風という形容は不適当だと感じます。

各楽器がバラバラの方向を見ているような、風通しが良いのに全体としてはごちゃっとした重さもある…。そんな響きが特徴的で愉しいフランスのオケとは感触が異なるからです。

デュトワがモントリールsoと実現した音はもっとシビアで独特な音作りです(とくに80年代)。

統制され引き締まったリズムと透明で重力を感じさせない軽い音色のマリアージュ。とくに全パートに亘って徹底される音色の透明な軽さは、フランスオケ全般に意外と苦手とする印象が強い。フォルテでもその軽さを失わないのはマジックとしか言いようがありません。

「フランスのオーケストラよりもフランス的な」という評は、宣伝文/コピーとして名文句で、かつて私もシビれましたが、名文句ゆえにこそデュトワ&モントリールsoコンビを誤読(聴)させた側面もあるかな、とは思います。

いずれにせよこのコンビの凄さは結構クラオタ歴を重ねた後で聴いたときに真にガツンと来る感もあり、パッと見のイメージがライトな分、内実の強度にびっくりするにはそれなりの経験値(比較対象を多く知っている、という程度の意味ですが)が必要な気がします。

2017/01/01

【オレコードアカデミー2016】クラシック以外&中古品等落穂拾い






何故かはわかりませんが、今年は例年以上にクラシックを聴いた年。非クラはあんまりノミネートなし。

ただMoe and ghosts「幽霊たち」はなぜこれまで聴いてなかったか自分でも不明な(youtubeで聴き過ぎ?)ほどに感激した一枚。やっぱアルバム買って聴かないとダメですね。ほんと最高。

ラジオを毎週聴いているのでなんだかたくさん聴いた気になっている菊地成孔関連ですが、買ったのは大西順子さん復帰作とガンダムサンダーボルトくらい。TABOOレーベルの新譜はいろいろ準備中のようなので鶴首。

菊地さんラジオ「粋な夜電波」で昨年(2015年)存在を知って好きになったジー・サティスファクションは去年未入手だったアルバムもゲット。やっぱ最高。



欅坂46「二人セゾン」はその1曲だけがお目当てだったのでレンタル。12月のある一時期ドはまりしたので滑り込み。さすがに集中的に数十回聴いて落ち着きましたが…。

最近のアイドルソングは曲がちょっと複雑過ぎ(の割に歌唱が大人数でのユニゾンだったりしてちょっと音楽的に変)だと思うのですが、この曲はサビの一点突破て感じの直球な構造でズキュンと来ました。サビを頂点にあとはシンプル且つ丁寧に繋ぐことに徹して、あまり難しいことをしない。アレンジも超好き。つか、歌番組での衣装・踊り・振付さえもすごくツボ。



ん十年前の録音でなんで今更?みたいな音盤もいくつか。

小澤&ボストン響、アンサンブル・ウィーン=ベルリン、シノーポリ&シュターツカペレ・ドレスデン。

これらはでも、聴き直しとかじゃなくて今年はじめて聴いたもの。

こういうパターンは大抵、急に「特定の曲が聴きたい」「でもなんか良いCD持ってない」「何かないか?!」となって探してゲットしたもの。

小澤&ボストン響は「真夏の夜の夢」全曲探しの結果、アンサンブル・ウィーン=ベルリンはラヴェル「序奏とアレグロ」探しの結果、、シノーポリ&シュターツカペレ・ドレスデンは「大地の歌」「四つの最後の歌&ヴェーゼンドンク歌曲集」探しの結果、と。




「再生環境変化に伴う魅力再発見」シリーズを挙げるときりがないので、それは今回対象外にしてますが、サイモン・ラトルのEMI音源、とくにベルリンフィルとの近作はかなり聴き直しました。

私も御多分に漏れずEMI録音をdisってきましたが、いや、そこまで酷くもない…か…な?と。つか、自分の再生環境のイマイチさを棚に上げてましたスイマセン。という気持ちが今は克っております。ごめんねEMI。

特大の自戒を込めて言えば、EMI録音批判者のご意見はごもっともなれど、単純に再生環境の問題て可能性があることを一度考えてみるべき。

【オレコードアカデミー2016】新譜・旧譜関係なく今年出会ったもの部門③





ランス・フリーデルのブルックナーについてはこちら。オーロラ管弦楽団のフィンジ作品集についてはこちら。ウルバンスキのルトスワフスキについてはこちら。を、それぞれ参照のこと。



ベルトラン・シャマユのラヴェルも遅まきながらゲットしヘビロテ。



ストゥールゴールズのニールセン交響曲も、ようやくゲット。素晴らしい内容でしたが、ニールセンに関してはBISのオラモ盤の充実ぶりが半端ないのでやや影が薄くなります。



なお、オレコードアカデミーに大賞とかってのはないのですが(評価は日によっても違うし…。数日前なら欅坂46「二人セゾン」になってた)、もし決めよ、となればハーディングの幻想交響曲か、フリーデルのブルックナー第5のどちらかだったと思います。

ハーディング盤はとにかく度肝を抜かれました。まぁこの盤についてはまたあらためて。

フリーデル盤は、マイナーで見過ごしてしまうところだったのが予想外にハマったので、内容も去ることながら大賞にして広く推薦したい録音です。




「再生環境変化に伴う魅力再発見」シリーズで、今年は妙にデュトワの録音を聴いておりました。だいたいこれまで持ってたもの、聴いたことがあるものでしたが、ボレットとのショパンのピアノ協奏曲は実は今回初聴き。

つーか、ショパンのピアノ協奏曲自体、ほとんどまともに聴いたことがありませんでした。巡り合わせがなんだか悪くて…。

デュトワ&モントリオールso&ボレットの録音はショパン、チャイコフスキー、ラフマニノフとありますがどれも独特の魅力があって癖になります。



フライブルク・バロックo.のバッハ録音でも言及したアンドレアス・シュタイアーのゴルトベルク変奏曲もゲット。言うことなし。最高です。



父ヤルヴィのイベール作品集については、以前否定的に取り上げておりましたが、その後評価がくるっと逆転して大のお気に入りに。自分の側のチャンネルを少しいじったというか…。これもいずれ頁をあらためて。



ここ数年継続して「メンデルスゾーンをじわりと責める」というテーマが自分の中であるのですが、今年はパブロ・エラス=カサド&フライブルクバロックo.による録音(鮮烈!)をゲットすると共に、ガーディナーがLSOレーベルではじめたチクルス収集を開始(まだ1枚しかゲットできてない…)。



スウェーデン王立空軍軍楽隊による「STRIKE UP THE BAND」と題された行進曲集に関しては、「ボギー大佐」のひとり聴き比べ大会の結果、堂々の第一位となった演奏を収めたアルバム。や、これマジで良いのです。

2016/12/31

【オレコードアカデミー2016】新譜・旧譜関係なく今年出会ったもの部門②







ジョナサン・ノットについてはこちら参照。東響とライヴ録音したブル8は試聴だけして一旦パス。EXTONの音はやっぱり相性が悪い、、、。今度ユンゲ・ドイチェ・フィルとのブル9が出るようなので、そちらはゲットするつもり。



フンランソワ=グザヴィエ・ロトの新譜も毎回チェックが欠かせません。やや食傷気味だったリヒャルトもロトの棒ならペロリといけます。中古屋でばったり出会ったビゼー&シャブリエ作品集、プーランク&ラモー&現代作曲家(穏当な作風の…)もすかさずゲット。レ・シエクルとはショパンのピアノ協奏曲の録音があるようですが、未だ出会えず。




いまやDENONが誇る二枚看板、バッティストーニと反田恭平は今年も新譜が出ました。

バッティストーニは粗さを感じることもあるとはいえ、やっぱり面白い。ドゥダメルが出てきたときのワクワク感あり。

来年チャイコフスキー第5が出るはず。

しかし、イタリア国立放送交響楽団の起用はちょっと疑問。反田恭平との協奏曲アルバム聴く限り、東フィルで全然良かったのでは…。RAIが悪いというより東フィルが充実している。まぁバッティストーニのキャリアアップ的にはいい話かもしれませんけども。

東フィルとは「題名のない音楽会」でも名演を聴かせたレスピーギ「シバの女王ベルキス」をぜひセッションで収録して頂きたいもの。




モンテヴェルディ「聖母マリアの夕べの祈り」ヤーコプス盤は何故か買いそびれていたもの。遅まきながらゲットしましたが大満足。

フライブルク・バロック管弦楽団のJ・S・バッハについてはこちら参照。

【オレコードアカデミー2016】新譜・旧譜関係なく今年出会ったもの部門①




徒然に。

ここ数年、私のクラオタパワーを牽引する存在だったパーヴォ・ヤルヴィ熱は一段落。

別に嫌いになったとかではなく、ブルックナーチクルスを展開しているhr響があんまり好みじゃないので収集停止、R・シュトラウス作品は満腹感があるのでN響とのチクルスも収集停止…という判断をしたため、個人的な新譜は実質ドイツカンマーフィルとのブラームス第2のみ。

しかしドイツ・カンマーフィルとの録音はほんとに外れがありません。ブラームスは最近あんまり聴かなくなってきているのですが、ブラ2・大祝・悲劇的序曲と、どれも超絶名演で最高に楽しめました。続編もめちゃくちゃ期待大だし、ピアノ協奏曲とドイツ・レクイエムもドイツ・カンマーフィルとのセッションで再録音して欲しいもの。

尚、フランス管弦楽曲集はまだデビュー間もない頃の旧譜(ポートレートにはまだ髪の毛が…)。

それにつけてもパリ管弦楽団とのコンビ解消はとても残念。次にパーヴォがパリ管クラスのオケのポストを得るのはいつになるやら…。



ここ最近注目している若手指揮者では、まずフィリップ・ジョルダン。ウィーン交響楽団とのシューベルトがこれまたお気に入り。この指揮者の音響バランスが妙に好みに合うのです。管の動きがこれ見よがしでないのにパリッとしていて、見通しがいい。パリ国立歌劇場O.共々、ばんばん録音活動を広げて欲しいマエストロのひとり。

ガードナーもCHANDOSで好調に新譜を出してます。つか、今回挙げたのは旧譜ですが…。それにつけてもブリテンの劇的カンタータ「フェードラ」が名曲の名演で超どはまりしました。



クルレンツィス&ムジカ・エテルナがコパチンスカヤと組んだチャイコフスキーは、個人的に前作「春の祭典」以上に楽しめました。インタヴューによれば既に悲愴は収録済みで、ベートーヴェンにも取り組む予定だとか。これも引き続き楽しみなコンビ。



着実に実績を積みつつあるフルシャは、オレコードアカデミーで挙げた若手・中堅指揮者の誰より地味ではありますが、もしかしたら実力は随一かもしれない、と思うほど。はったり一切なしで堂々と王道を歩む感じが貯まりません。バンベルク響との録音も開始されたので来年以降も要注目。



ホス・オキニェナ、リュビモフはこちらこちらを参照。

2016/12/18

【CD聴くべ】ストラヴィンスキー/サティ:ピアノ連弾のための作品集(リュビモフ/ポプルジン)

イーゴリ・ストラヴィンスキー『協奏曲 変ホ長調 「ダンバートン・オークス」(4手ピアノ編)』
(編曲 : イーゴリ・ストラヴィンスキー)

エリック・サティ『ソクラテス(J. ケージ、G. シモナッチによる2台ピアノ編)』
(編曲 : ジャンカルロ・シモナッチ、ジョン・ケージ)

イーゴリ・ストラヴィンスキー『2台のピアノのための協奏曲』
IV. Preludio e fuga

エリック・サティ『シネマ - 「本日休演」のための幕間音楽』
(編曲 : ダリウス・ミヨー - Darius Milhaud)

アレクセイ・リュビモフ - Alexei Lubimov (ピアノ)
ヴャチェスラフ・ポプルジン - Viatcheslav Poprugin (ピアノ)
録音: 16-18 June 2015, Doppsgezind Lerk, Haarlem


以前、ホセ・オキニェナのサティ作品集の頁でも言及したリュビモフのストラヴィンスキー/サティの連弾集。

私は「本日休演(ルラーシュ)」のため幕間の音楽に妙なフェティッシュを感じておりまして、リュビモフが同曲を演奏しているゾということで惹かれた一枚。

…だったのですが聴いてみたらこれが収録曲すべて最高の超名盤。

リュビモフの録音を特別集めている…とかってことはないのですが、ベートーヴェンの後期ソナタ集とか、時折悶絶するほど好きになる録音があるので、チェックが欠かせません。




これまで退屈することがサティを聴く目的であり魅力でもあると思っておりましたが、当盤におけるフォルテピアノとプリペアドピアノの響きはたいそう気持ち良く、これまでの退屈さは楽器の響きのせいだったか?!と思い直しかけた程。

…や、結局退屈はするんですけどね。

てゆうか、サティも素晴らしいのですがこのアルバムを名盤たらしめているのは、同じくフォルテピアノで聴くストラヴィンスキー作品です。

わたくしめ何だか最近、三大バレエだけでなくその作風の変遷含めてストラヴィンスキーのことが妙に好きになって来ているところでして、それもこのアルバムのラブ度が上がった要因かもしれません。



今年(2016年)はサティ生誕150周年で、嬉し恥ずかしアニバーサリーイヤーでしたが、私にとってはこのCD1枚でお釣りが来ようというもの。




«【CD聴くべ】ドヴォルザーク交響曲チクルス(チチョン盤)